法人研修「事業所における苦情解決体制と第三者委員の活用~利用者様等からの苦情を受け止めるために~」を行いました。
2017年3月16日平成29年3月8日、那智勝浦町体育文化会館にて、和歌山県福祉サービス運営適正化委員会事務局長 東山 喜行様を講師に、福祉サービス苦情解決担当者・第三者委員研修会を開催しました。他法人・行政の方にもお声掛けし、計42名の参加がありました。
福祉サービス運営適正化委員会へ寄せられている苦情内容から、苦情が寄せられた際にどのような対応が適切であるか、また、事業所における苦情解決体制(苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員)それぞれの役割について学びました。
まず、苦情が生じる原因として、以下の具体例が挙げられました。
①信頼関係が希薄な場合
・日常的なコミュニケーションが少ない
・家族に関わろうとしない
②あまりにもうかつだった場合
・対応が粗雑すぎた
・まったく配慮を欠いていた
・コミュニケーションがずれていた
③その他
・利用者のこだわり等に基づく場合
・相手が非常識すぎる場合 等
次に、苦情解決に向けた対応や心構えとして、以下のことが大切です。
・苦情等を直接言いにくい方(利用者様やそのご家族)への配慮
日頃から何でも言いやすい雰囲気をつくること。苦情を申し出ることで仕返しなどされるのではないかと恐れて申し出にくい、誰に相談して良いかわからない場合があるため。
・「要望・希望・意見等」が「不平・不満」にならないよう、利用者様やそのご家族からの声に日頃から耳を傾けること。
・苦情内容に対し、なぜそういう風に感じるのか考え、できることから改善していくこと。
・苦情解決からサービスの質の向上へ‥苦情を不平・不満と捉えず、福祉に対する意思表示で、福祉ニーズの表現として捉えること。
最後に、苦情が寄せられた際の対応として、
・知らせて頂いたことに対する謝意‥不快や不便を感じ、知らせて頂いたことに謝意を表す。
・限定的な謝罪‥過失や落ち度が明確でない段階での謝罪。
「お気持ち」や「お手間」に対してお詫びの言葉を述べる。
・積極的傾聴‥苦情に対して誠意を態度に表わすコミュニケーション。
肯定的な返事、積極的にうなずく(相槌をうつ)、語尾を繰り返す等。
・共感‥安易に同意、同調するのではなく、間接的同調でかわす(個人的な見解は答えずとも、共感や協調を示すことは可能)
・クッション言葉の活用‥日頃から接遇について身につけておくこと。
以上のこと等が大切であると教わりました。